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[ 子供と一緒にどこ行こう ] - [ 子供たちとのスキー記録(1) ]


長男とソリでどれくらい遊んだだろう、殆ど記憶がない。
それはおそらく、ちょうど長男が2歳の時に妹が生まれ、 家族みんなでスキーに行く機会が殆どなかったからだ。 長女は12月生まれ。それでも一度だけ、長男を初めて連れて行ったのと同じ ルーデンスへ3月も終わりの頃、連れて行ったように思う。

ステーションワゴンの荷室で長女を寝かせ、長男は座席を前に後ろにと行ったり来たり。 派手に暴れたりして妹に危害を加えかねないので、時折ソリを持って長男を雪上に引っ張り出した。
引っ張ったり滑らせたり、それはそれで楽しんでいたが、そのうちリフトを見つけあれは何だと言う。 電車だクルマだと乗り物大好きの長男は、 例えリフトでもそれに乗りたいと思ったのだろうか、必死に私にせがんだ。
私は自分の技術で抱っこなりおんぶなりで降りてくることにさほどの抵抗はなかったのだが、 安全性という一般概念の中でそれを拒否してきた。例えどんなにスキーがうまくても、 あれはやってはいけない、と。もちろん妻にもそう言ってきた。
しかしここでその意志がなぜぐらついたのかは未だに憶えていない。
クルマの荷室で娘と遊ぶ妻に、長男がリフトに乗りたいと言っていることを告げた。
しばらく悩んだ挙げ句、1回だけ乗ろう、ということにした。シーズンも終わりだし、 次に乗る時は3歳だから、と。
リフトに抱きかかえて乗り、がっちり押さえながら隣に座らせるとことのほか喜んだ。 こんな乗り物のどこが楽しいのか全く理解できないが、乗り物好きにはお構いなしだ。
抱っこで滑っただろうかおんぶで滑っただろうか、おそらく抱っこだったと思う。 斜度が緩くなるようにコースを選びながら降りるが、それでもスピードが乗ってしまう。 まずいなぁと思いつつ顔を覗き込むと笑っている。脚の負担を覚えながらベースまで 降りてくると、爽快な表情をしていた。

長男がスキーというものに触れた、初めての瞬間だったかもしれない。

2歳のシーズンが終わった頃、近所のホームセンターでスキー関係の在庫処分を始めていた。 その空間の大半がキャンプ用品に変わって行く一角に、サロモンのキッズブーツが これから眠り始めるかのように置かれていた。
一番小さいサイズで16cm。ブーツケースや箱といったものはなく、インナーに値札が 付けられている状態で2000円。その場で長男の靴を脱がせ、だいぶ緩いがこれより小さい ブーツを買っても仕方ないだろうと判断し、その場で購入して帰った。

元々スキーは何だろうかと興味はあったらしい。私が夜中にやっているW-CUPのビデオを 何度も見たりしていたせいか、こういう遊びもあるのか、と思っていたのだろうか。
買って帰ったそのブーツを長男は喜んで履いて遊んでいた。楽しいらしい。

それから夏が過ぎ、秋を迎える頃まで何度も置いてあるブーツを引っ張り出しては 履いて部屋の中を歩きまわっていた。

いずれにせよ私たち夫婦は3歳からはスキーを始めさせようと考えていたので 長男の誕生日に近い頃、御茶ノ水のビクトリアへ出掛けた。
プラスチックのスキーには興味がなく、最初からスキーを履かせるつもりだったので、 その時点で選択できるものはサイズ的に一つ二つしかない。欲しいデザインを 選ばせた。ストックなんか一番短いものでも合わず、カットしてもらった。 ストックのメーカーだかモデルだかのロゴがグリップに隠れてしまうほどで、 あまり格好のいいものではない。

長男は体がそれほど大きいわけではない。ストックも切るくらいなので、16cmの ブーツも持て余す。インナーを抜いて履かせてみると明らかに余っているので、 アルペンで買ってきた爪先に入れるスポンジのようなものと古くなった靴下を 2足くらいインナーにかぶせてフィットさせた。

そうなると俄然楽しくなったのだろうか、それまでにも増して道具を引っ張り出しては 履いてみせた。友達が来たり、私の親や妻の両親がやってくるとそれこそ喜んで、ガチャン!と ビンディングにはめてみせるのだ。

どうしてスキーに行かないのか?──冬が来て雪が降らないことにはスキーができない、
そんなことは長男にはまだ理解できていなかったと思う。
雪が降るまでもう少し、という季節のことだった。

もちろんあのルーデンスで長男を抱いて滑ったこと、 その時に私が転ぶようなことがあれば、長男のスキーに対する思いは 全く違ったものになっていたに違いないのだ。

(11-OCT-2001 wrote)

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