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[ 子供と一緒にどこ行こう ] - [ 子供たちとのスキー記録(4) ]


妹はアニキのお下がりとしてもらった、スキー、ブーツ、ストックをとても喜んでいた。もらった以上はもう自分のもの、アニキは新品のスキーやブーツだけれども、それが新しかろうが古かろうが関係ない、「お兄ちゃんのはお兄ちゃんの。これはもう私のなんだから触っちゃダメ」と独占状態だ。長男が5歳、長女が3歳になった00-01シーズンのことである。

アニキが3歳でそうしたように、いよいよ妹もスキーデビューである。とはいうものの、残念ながらアニキのように全神経を注ぎこむことはできないのが現実だった。少なくとも滑れるようになったアニキが、滑りたいと言えばやはりどちらかの親がついていかねばならず、必ずしもリフト券を我々夫婦2枚買っていたわけではないので、そうなるとアニキとどちらかが滑りに行き、妹は下でソリ遊び、となってしまう機会も少なくなかった。
それでも、なるべく滑るチャンスを与えたいと、リフト券を2枚買う機会を多く作った。どちらが教えようか、という点は、交代で、という話になったものの、私の方がどうしてもその役が多くなることは必然であった。

晴天のかたしなスキー場、いざスキーを履いて黄色のリフトに乗った。考えてみれば、これまでソリ遊びしかしていなかったからリフトに乗った経験はなく、これが初めてのことである。アニキがそうであったように初めてのリフトを楽しむように楽しく乗っていた。やはり子供はこういったものは楽しいのだろうか。それとも新しい環境に触れる嬉しさだろうか。
アニキを教えた一種の自信みたいなものもあったかもしれない。まずスキーが滑る、という感覚に慣らすため、膝の間で滑らせることにした。そしてアニキにそう言ったのと同じように、「板をまっすぐにしておきなさい。重なると転んじゃうよ」とだけ教えた。

長男の時はこれを何度も何度も繰り返した。板を取られて転ぶことがない程度までスピードを上げてやると、そのスピード感がたまらないのか、落下の感覚が新鮮なのか、随分喜んだ。親としては腰も痛くなるしずっとプルークのスタンスなので負荷も結構きつい。ただ今の長男を見ると、滑る感覚を養うにはこれを多くやったこともよかったかな、と思っている。
アニキもこうやって練習したんだ、と言いながら、妹を膝の間に入れて滑り始めた。滑り出せばすぐにベースが見える。レストラン前で遊んでいる母親とアニキに向かって滑ろうと、真っ直ぐ滑り降り始めたところ、妹は何だかんだと騒ぎ始めた。
最初は、アニキと同じようにスキーが滑るということが楽しいのだろうと思ったが、違う。
「スピードが怖い」と言うのだ。
殆どスピードを上げないように気を付けながらベースまで降りてきたが、その時にはもう半べそ状態であった。「もうやだ」と言いながらスキーを脱ぎ、ソリを持ってどこかへ行ってしまった。

私のある種の自信はここで完全に崩れ去ってしまった。
スピードに対して快感的要素を持っていた長男に対し、スピードが恐怖というイメージを持った長女。そしてそのスピードとは「飛ばす」というイメージではなく、もう滑っていってしまうことに対する恐怖感であった。
この感覚の差は非常に大きい。滑る技術もないのにただ滑りたいと思っていた長男とは正反対の意識。まずここをどう乗り越えるかを考えなくてはならなくなった。

(22-JAN-2002 wrote)

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