[ 私をスキーに連れてって ] - [ オープニングに尽きる.... ]
やっぱりオープニングに尽きるでしょ、この映画は。
白いアルミホイールにセットされた真新しいスタッドレスタイヤ。油圧フロアジャッキを使って
夏タイヤと組替える。用意されたサロットのダッフルバッグ、ストックをいささか乱暴に
カーゴルームに詰め込み、お気に入りの大切なブーツも忘れない。
ワックスを掛けたばかりなのかバラして置いてある板をひとつずつルーフキャリアに載せ、
バンドで留める。
──タイトルが出るのはこのシーンしかないな、素人ながらにそう思った人、少なくないはず。
エンジンを掛け、スモールランプを点灯。おもむろにカセットを取り出し、カーステレオにセットする。
さあ、出発だ。
流れ出すユーミンのイントロと同時に、カローラIIのリトラクタブル・ヘッドライトが開くのだ。
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このオープニングにとてつもなく魅了された人は少なくない。あまりにも身近なシチュエーション、
あの出発のときのわくわくする感じ、その過程をたどりながら心の内で盛り上がる静かな興奮を
余すところなく表現している。このシーンを見るだけで今すぐにでもスキーに出掛けたくなる…。
自分をオーバーラップさせながら、ユーミンばかりを集めたカセットを作り、
1曲目を「サーフ天国・スキー天国」にする。出発の直前にカセットテープを入れて出発する。
そのシチュエーションを真似た人、私の周りにもたくさんいた。
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明治屋でお菓子や飲み物を調達し、同時進行でバスツアーが出発の準備を進めている。
夜行バスの中はクリスマス・スキーの期待がいっそう膨らむ。
赤いカローラIIは志賀高原へ向けて、関越練馬インターの入り口を駆け上がって行った。
(17-JAN-2001 wrote)
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