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[ 私をスキーに連れてって ] - [ 聞き間違いじゃなかったのかな.... ]


大晦日の夜、ふと思い立った矢野君は万座から菅平を抜け、大きく迂回して湯田中から 山道を登る。会社の寮の前には、こちらもふと思い立った優ちゃんのクルマが。
クルマから飛び出す二人、矢野君はしばらく間を置いてこう言う。

「聞き間違えちゃったみたい、番号……電話。」
「やっぱり聞き間違えじゃなかったのかな?」

この映画のセミ・クライマックスとも言えるシーンだ。この後、新年を伝える花火があがり、
「今年もよろしくお願いします」
と優ちゃんが笑顔で言うこと(この会話のつながりも、文字で書くと実に不自然だ……) で一幕を閉じるシーンだが、
が、しかし……である。

そもそも、電話番号を聞き間違えたのでは?という解釈になったのが、 優ちゃんと矢野君をくっ付けようと、保険のセールスを装って矢野君の会社に 現れたヒロコが、あまり気乗りのしない矢野君に、
「電話番号だって、矢野君が聞き間違えただけかもしれないし」
と言ったからだ。
ヒロコはその場、矢野君を励ますふうに言っているが、この先ストーリーは まるで、電話番号を聞き間違えたかのように進んでいく。

しかし、だ。
焼額山のコースで写真を渡したいからと、電話番号を教えてもらった矢野君は、 優ちゃんに電話番号を書いてもらっているのだ。
これではどう転んでも聞き間違いなんて事はない。
じゃあ百歩譲って、矢野君が自分の手帳に書き写すときに「書き間違えた」としよう。
しかし、ふつうに考えて書き間違えるだろうか? 好きになった女の子に書いてもらった 電話番号である。手帳に書き写した後も何度か見直すんじゃないだろうか。
バー「ゼファー・イン」で、イズミ君と矢野君がかの電話番号に電話を掛け、それが通じない 番号だと知ったときに、家に帰って元のメモともう一度見比べるんじゃないだろうか。 ──捨ててしまったのだろうか。

私が矢野君だったら、ヒロコに言われたときにこう応えるだろう。
「聞き間違い? ──だって、本人に書いてもらったんだぜ。──ほら」

しかし、これでは話がここで終わってしまうのだ。

(20-JUN-2001 wrote)

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